キャリブレーションツールの導入/i1 Display Pro の購入

2014年9月13日|キャリブレーションツール、i1 Display pro の紹介

 

オーナーズブログ「おうちプリントのススメ編」について説明していきます。このコーナーは写真を撮ることが好きで、パソコンでRAW現像まではするけれどプリントはあまりしたことがないという方を対象にかいています。

 

おうちプリントのススメ編、第4回目。

前回は、環境光の整備と色評価用蛍光灯スタンドについて説明しました。

モニターとプリンターの色合いを一致させるためには、環境光の整備プリント観察光源の用意、そしてキャリブレーション(色校正)された液晶モニターが必要なのは前回も述べたとおりです。

液晶モニターは経時変化とともに工場出荷状態の色とは異なっていきます。僕が使用しているEIZO Flexscan 2334W-T もすでに使用時間が6000時間を超えていますが、キャリブレーションは一度も実行したことがありません。

通常、プロの現場ではキャリブレーションは200時間に1回行うものであるとされているので、それを考えたら6000時間で1度もキャリブレーションしたことがないというのは異常な事なのかもしれません。

ましてや、そのモニター環境で写真をレタッチし、WEBに公開したりしているのだから、他人に自分が意図する色調で正確に伝えられていたかどうかはかなり疑わしいことになります。

 
モニターが正しい色を表示できていなければプリントとの色のマッチングなんて夢のまた夢!

 

自分が見ている液晶モニターの色が正しいと信じることができれば、必然的にレタッチにも力が入りますし、プリントをすることがよりいっそう楽しく感じられるはずです。

液晶モニターのキャリブレーションは、EIZOからダウンロードできる EasyPix などのフリーソフトを利用して、紙の白モニターの白色点を合わせる目視調整が可能です。しかし、目視調整はある程度の経験値が必要で、初めて目視調整をする人が一発で色を正確に合わせられるとは思えません。

実際、僕も最初は目視調整をチャレンジしましたが、調整が終わった時に「果たしてこの色で正しいのだろうか?」という不安は常につきまとっていました。長いことモニター画面を見ていると目が慣れて順応していくので、時間をかけて合わせたはずの色であっても必ずしも正確な色を表示しているとは限らないのです。

自分の目が信じられないのなら何を信じたら良いのか。

そう、液晶モニターの色が正しいという絶対的な信頼を持つために、

 
キャリブレーションツール(測色器)が存在するのです!

 

というわけで、さっそくキャリブレーションツールの紹介に入るわけですが、キャリブレーションツールも各社からさまざまな製品が発売されていて、どれを選択するかは頭を悩ませるところ。

これから購入を検討している方は以下の点に留意すれば、自分が手に入れるべきキャリブレーションツールがおのずと見えてくるはずです。

 

1. 予算

2. 耐久性(フィルター式か分光式か)

3. 測色精度

4. プリンタープロファイルの作成が必要か否か

 

1番目の「予算」ですが、これは1~2万円程度の安価なものから10万円を超える高価なものまでそれこそ値段はピンキリ。当然、値段が高いものほど測色精度や耐久性は高いと考えて良いでしょう。

その耐久性についてですが、測色センサーがフィルター式分光式かでも寿命が大きく変わります。よく知られている Spyder4シリーズは従来からのゼラチンフィルターのため、一般的に寿命は2年程度と言われています。

 

EIZO製品に付属してくる「EX2」がまさにそのSpyder4 のOEMです。EIZOのサポートセンターに電話して EX2 の寿命を問い合わせたところ、「保管状態にもよりますが約2年程度」との回答を得たので寿命は2年以内と考えて間違いないでしょう。

 

個人的に、キャリブレーションツールを2年以内での買い替えるのはお財布的に厳しいなと思ったので、X-Rite 社のi1 Display Proを購入しました。

日本語パッケージで約2万7000円、並行輸入品で約2万2000円ほど。キャリブレーター(測色器)としては高すぎず安すぎず、比較的、手を出しやすい価格です。

 

僕は並行輸入品のほうを買いましたが、輸入品によくありがちな箱潰れなどはなく、製品も正常に稼働し、まったく問題はありませんでした。購入後、1ヶ月以内にユーザー登録を済ませればサポートを受けることができます(しかし、登録はかなり面倒くさかった…)。

i1 Display Pro は i1 Display2 の後継にあたる製品で、センサーがフィルター式なので i1 Pro のような分光式キャリブレーターほどの測色精度は得られません。

それでも i1 Display2 のセンサーがゼラチン式フィルターであったのに対し、i1 Display Pro はガラス式フィルターに改良されたため、測色精度と耐久性は向上したそうです。

キャリブレーションソフトは、 i1 Pro と同じ i1 Profiler が使えますが、i1 Display Pro ではすべての機能が使えるわけではありません。

 

i1 Display Pro の他に、約5万円近い価格のColorMunki Photo(カラーモンキーフォト) という製品もあります。こちらは i1 Display Pro ではできないプリンタープロファイルの作成(プリンターキャリブレーション)が可能です。

 

幸い、CANON PRO-10 には他社製用紙向けのICCプロファイルをキヤノンのホームページからダウンロードできます。イルフォード、ハーネミューレ、キャンソン、PCM竹尾、ピクトラン、ピクトリコ、GEKKO など代表的な他社製用紙のICCプロファイルはほとんど手に入ります。

手間をかけてプリンタープロファイルを作成したいのであれば ColorMunki Photo を買う価値はありますが、プリンターメーカーや用紙メーカーが用意しているICCプロファイルを利用するのであれば、i1 Display Pro で十分に事足りるでしょう。

 

それではさっそく、今回購入した i1 Display Pro について簡単に見ていきましょう。以下写真では、液晶モニター「EIZO EV2334W」に対してキャリブレーションを実行しているところです。

本来ならば、外光を遮るために液晶モニターに遮光フードを取り付けたほうが、より正確なキャリブレーションが可能となります。

 

キャリブレーションツールの使い方は簡単。まず最初に、i1 Profiler を起動し、目標値を決めます。

今回は、モニターとプリントの色を一致させたいので、印刷用のモニタープロファイルを作成します。その際の目標値は、白色点を D50輝度を80カンデラガンマ値を2.2にセットして、全自動でキャリブレーションを実行します(自動ディスプレイコントロール)。

 

Flexscan EV2334-Wのように専用キャリブレーションソフト(ColorNavigatorなど)がない液晶モニターの場合、i1 Profilerのようなサードパーティー製のソフトウェアでキャリブレーションを実行することになります。

この際、液晶モニター本体は色調整に関与しないので、キャリブレーション精度はパソコンのグラフィックボード(GPU)の性能に依存します。つまり、色の管理はパソコン側で行っていることになり、このことをソフトウェアキャリブレーションと呼びます。

液晶と本体が一体化しているノートパソコンは基本的にソフトウェアキャリブレーションで色調整することになります。

 

逆に、パソコン側ではなくモニター本体で色調整を行うことをハードウェアキャリブレーションと呼びます。ソフトウェアキャリブレーションに比べ、階調性も良好で、キャリブレーションの精度は高くなります。

i1 Profiler では、「ブライトネス、コントラスト、RGBゲインを手動で調節」にチェックを入れると、液晶モニター本体の操作ボタンを使って明るさやRGBの値を調節できます。ただし、液晶モニター側で手動調整できる機種に限られます。

 

設定が完了したら「測定を開始」をクリック。キャリブレーションは約2~3分で終了します。

 

キャリブレーション終了後、モニターでレタッチした写真をCANON PRO-10 でプリント出力し、モニターとプリントの色あいが一致しているかどうかを確認します。

 

キャリブレーション実行後、果たしてモニターとプリントの色は近づいたのか。

結論から先にいうと、

 
モニターとプリントの色は近づいたけれど満足できるレベルではない

 

というのが正直なところ。

すべてコンピュータ任せにしたキャリブレーションと自分で手動調整してのキャリブレーションの両方を試してみましたが、どうもプリントのほうがマゼンタ色が強く感じられ、明るさもプリントのほうがわずかに暗くなっています。

キャリブレーション実行前よりはモニターとプリントの色は近づきましたが、それが満足できるレベルにあるかといえば決してそうではない。それを微調整するためにプリンタードライバー側でマゼンタをマイナス補正してプリントしていたら、やっていることは今までと何ら変わりません。

プリンタードライバー側でなんの補正も加えずにモニターとプリンターの色が一致してこそ、真のカラーマネジメントといえるのではないでしょうか。

もしかしたら単に僕のキャリブレーションの仕方がマズイだけなのかもしれません

根気よく検証してモニターとプリンターの色を近づけてみたいところではありますが、時間と手間を省きたいので僕はあえてこう考えることにしました。

 
やはりカラーマネジメント対応モニターでないとモニターとプリントの一致は難しい!と。

 

なにを言わんとしているのか、わかったかたもいると思います。

そう、それは言うまでもなく EIZO の ColorEdge

 
いま僕に必要なのは1本の高級レンズより1台の高性能モニターなのです。

 

子供撮りで使いこなせていないMakro Planar T* 2/50を売り払ってでもカラーエッジを手に入れ、真のカラーマッチングを実現させていきたいと思います。

そんなわけで、次回はいよいよカラーマネジメントモニターについて説明していきます。カラーマネジメント対応モニターにすればモニターとプリントの色は一致するのか、それは次回以降で説明していきます。

 

 
 
 

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