アンカーボルトの設置/建築日記13日目
スウェーデンハウス工事13日目。
前回までの時点で型枠工事がすべて完了しました。
今日は生コン打設前の重要な作業として、アンカーボルトとホールダウンアンカーボルトの設置を行います。また、アンカーボルトの高さ・位置を固定するためのアンカーセットの設置も行います。
まずは以下の写真を見てください。
青丸で囲ったのがM16のアンカーボルト、赤丸で囲ったのがM16のホールダウンアンカーボルトです。M12やM16という英数字は、アンカーボルトの径の太さを表しており、M12は直径12mmという意味です。
土台の固定には、M12以上のアンカーボルトでなければいけませんが、スウェーデンハウスではそれよりも径の太いM16のアンカーボルトを使用します。アンカーボルトの設置間隔は2m以内です。
アンカーボルトの引っ張り強度は、アンカーボルトがコンクリートに接する表面積に比例するので、
なお、アンカーボルトをコンクリートに埋め込む長さは250mm以上でなければいけません。通常は、400mmの長さのアンカーボルトを使用し、そのうちの250mmをコンクリートに埋め込みます。
建物の土台を設置後、下図のようにアンカーボルトと土台を緊結させます。その際、アンカーボルトが土台上端より出っ張らないようにします。スウェーデンハウスの場合は、建物の土台が加圧注入土台となっており、現場で土台に穴をあけて加工します。
※株式会社カナイの商品から画像転載
以下図は、我が家のアンカーボルトとホールダウンアンカーボルトの取り付け位置を示したものです。アンカーボルトは2m以内の間隔で配置され、ホールダウンアンカーボルトは四隅を中心とした計6カ所に配置されています。アンカーボルトはざっと数えたところ、59本でした。
工事を数日間ほどすっ飛ばして、型枠が解体されたときの以下の写真を見てください。アンカーボルトとホールダウンアンカーボルトの長さが明らかに違うのがわかると思います。
なぜ、ホールダウンアンカーボルトのほうが長いのか?
その理由は、
つまり、建物の土台を突き抜け、外壁パネルの縦枠まで届く長さがなければいけません。
なお、建築基準法ではホールダウンアンカーボルトをコンクリートに埋め込む長さは360mm以上でなければいけません。
以下写真は、土台と側根太(がわねだ)をとりつけたときの状態です。基礎に取り付けていたはずのホールダウンアンカーボルトが見えなくなっています。おそらく、側根太の隙間からホールダウンアンカーボルトが突き出ているのではないかと思われます。
さらに20日間ほどタイムスリップして、外壁パネルが組まれた時の状態を見てみます。家の中の隅を見てみると、断熱材のグラスウールが充填されているのがわかります。
このグラスウールをはがしてみると・・・
ホールダウンアンカーボルトと縦枠とを緊結するための、ホールダウン金物が見えています。
このホールダウン金物は、ブレイブホールダウン(B-HD25)というカナイの商品です。約25kN(キロニュートン)の耐力があるそうです。
ホールダウンアンカーボルトは、地震・台風などの水平力を受けたときに、耐力壁にかかる引き抜き力に対抗するために基礎と土台、基礎と柱、基礎と縦枠(2X4)などに取り付けるとても重要なボルトです。
にも関わらず、アンカーボルトが少なかったり、埋め込み長さを守っていなかったり、ホールダウンアンカーボルトが欠落していたりする例が数多くあり、もっとひどいのは設計図にアンカーボルトやホールダウンアンカーボルトの記載がないメーカーや工務店もあるようです。
アンカーボルトを適切に配置していない建物は容易に倒壊する危険性があるので、施主は要チェックしなければならないところです。
ホールダウンアンカーボルトは、主に木造軸組工法で用いられ、
しかし、取りつけておけば引き抜き力に抵抗する力が増すので、つけておくに越したことはありません。金具ひとつで家の安心が守られるなら、施主としてはこんなに嬉しいことはないですよね。
スウェーデンハウスは構造部分に関してはとてもしっかりしているので安心です!
次回は、生コンクリート試験の概要について説明します。