スウェーデンハウスの構造用合板/ツーバイフォーとの比較

ここでは、枠組壁工法で用いられる構造用合板について詳しく説明していきます。

 

枠組壁工法では、壁や床、屋根などの下地材に構造用合板と呼ばれる板を貼り付けていきます。まずは以下の写真を見てください。

壁に打ち付けられた3層からなる1枚板に見える合板のことを、構造用合板といいます。合板の厚みはメーカーごとに異なりますが、スウェーデンハウスの場合は壁下地には厚み9mmのものが用いられます。

 

この構造用合板を釘で打ち付ける主な場所として、床下地、外壁下地、内壁下地、天井下地、屋根下地などが挙げられます。

ツーバイフォー工法では内壁下地には構造用合板を用いず、そのまま石膏ボードを打ちつけて終わりですが、スウェーデンハウスの場合は、内壁面のどちらか一方の面に、構造用合板を取り付けることができます。

 
その目的のひとつは、下地材として利用です。

 

つまり、家が完成して生活するようになってから、壁になにか重いものを吊り下げたくなった場合に、下地に構造用合板があったほうが、それなりに荷重のあるものでも吊り下げることができるというわけです。

設計段階では、内壁面のどちらの側を合板面にするかを取り決める打ち合わせがあったので、とりあえず有効に使いそうな内壁面にのみ、構造用合板をいれてもらいました。それが以下図の赤い線で書いた部分です。青い部分は外壁面の構造用合板で、ツーバイフォーでは必ず張り付けなければいけません。

 

以下図は2階内壁の合板面です(赤線)です。壁量として重要なのは1階の壁ですが、内壁の合板面がどちら側についているか、などの参考にしてください。

 

構造用合板を取りつける内壁は、構造用合板と石膏ボードと二重構造になりますが、構造用合板を取り付けない面は石膏ボードのみになります。

 

そこで気になるのが、

 
構造用合板を張り付けていない、石膏ボードのみの内壁は耐震強度は問題ないのか?

 

という点ですが、石膏ボードだけでも壁倍率1.0~1.5はあるので、壁両面に貼り付けた場合でも2.0~3.0の壁倍率を持つことになります。

ただし、石膏ボードは強度に不安がある材質のため、壁量に含めずに構造用合板を張りつけることで構造計算をするメーカー、工務店も多いようです。

スウェーデンハウスの場合も、内壁面の片側のみに構造用合板を標準で入れてくれます。しかし、三井ホームのように内壁には石膏ボードのみというツーバイフォーメーカーもあるようです(2012年9月時点)。

構造用合板を入れるか否かは、メーカーごとのコスト削減方針にもよると思いますが、それほど値段が高いものでもないので施主として耐震強度を少しでもあげたいのであれば、内壁にも構造用合板を入れることを考えてみてもいいのではないかと思います。

板1枚(実際には3層)で家の強度があがるんだったら、是非ともつけておきたいと思うのが素人考えですよね(笑)。

ただし、注意点としては、構造用合板は接着剤を使用しているので、火事などで燃えたときは黒煙がでてしまう恐れがあるということです。防火の面で考えると、構造用合板は好ましくない部材とも言えるでしょう。

 

内壁の合板面をどちら側にするか事前に決めておこう。特に食器棚やタンス等の重量級の家具を壁に固定する場合は構造用合板が必要になります。
 
 

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