色評価用蛍光灯の検討(高演色性直管蛍光灯)/契約から着工まで

2011年9月上旬/スウェーデンハウス 打ち合わせ

 

マイホームができたら是非とも自分の部屋に取り入れたいものがありました。

 
それは、「色評価用蛍光灯」、別名「高演色性直管蛍光灯」ともいわれるものです。

なにやら小難しい名前の蛍光灯ですがどんな目的でつかう蛍光灯なのかというと、長年続いている趣味である写真撮影(主に風景)に関係しているもので、

 
室内で写真を編集するときに正確な色でモニターを閲覧したり、印刷物を正確な色で出力したりするときに効果を発揮する蛍光灯です。

 

演色性」とは、照明による物体の色の見え方の特性のことで、色が自然光の下で見た場合に近ければ近いほど、

 
色再現能力が高く、演色性が優れている

 

と判断されます。

演色性を指数で表したものを「平均演色評価数(Ra)」といい、

 
Ra 値が100に近いほど演色性が優れた蛍光灯

 

ということになります。よく照明メーカーのカタログにも、Ra値が記載されていることがあるのをご存じでしょうか。一般的に、演色性が高い照明器具ほど値段も比例して高くなっていく傾向があります。

通常、一般の家庭で使われている蛍光灯の Ra 値はおよそ60ぐらいで、

 
色評価用の蛍光灯はRa値90~99以上の高い数値をもっています。

 

Ra値 90以上の蛍光灯のランクのことを「演色AAA」で表し、蛍光灯本体にも記載されています。ただし、Ra値が高いからといって優れた蛍光灯というわけではありません。用途に応じてRa値の異なる蛍光灯を使い分けます。

室内で物体の色が限りなく自然に見えるようにするには、室内の蛍光灯を自然光(太陽光)と同じ色温度の5000K(ケルビン)にします。

具体的には、「高演色性直管蛍光灯・演色AAA昼白色」(5000K)という蛍光灯を使えば、室内環境が限りなく自然光に近い色になり、モニターの色、印刷物の色、写真を撮ったときの液晶の色も、より正確な色合いで眺めることができるのです。

この蛍光灯下であれば、オートホワイトバランスがイマイチなカメラでも、わざわざ色補正をしなくても常に正確な色で写真を撮れるようになるかも!?しれません。

しかし、色評価用蛍光灯を導入するにあたっていくつかの問題点があります。

ひとつは、色評価用蛍光灯はオフィスや店舗、工場等で使われるような直管タイプの蛍光灯しかなく、一般家庭で使われるシーリングライトのような器具では色評価用蛍光灯は選べない(存在しない)ことです。

直管タイプの蛍光灯といえば、

 
インテリア性に乏しく、見た目も良くない!

 

その見た目の悪さを少しでも解消させるために、天井埋め込み型の直管蛍光灯を選べばいいのですが、ここで次の問題がでてきてしまいます。

それは、

 
スウェーデンハウスでは、2階の天井に埋め込み型の照明を取り付けることができません!

 

なぜ取り付けられないのか。

それは高気密・高断熱を実現するために屋根裏天井にブローイング工法と言われる工法で、ガラス繊維の断熱材を全体に敷き詰めているからです。

 

照明には、ブローイング工法・マット敷工法の両方に対応した「高気密SB形」やマット敷工法に対応した「高気密SGI形」がありますが、いずれのタイプの照明を採用したとしてもスウェーデンハウスの2階天井には埋め込み型の照明は推奨されないのです。

 
つまり天井から突き出るタイプの直管蛍光灯しかつけられません!

 

このことが僕を大いに悩ませてくれました。

あらゆるメーカーの照明カタログを見て、格好いいデザイン直管蛍光灯を探しまくりました。何点かは、これなら見た目的にOKかな?という照明もありました。例えば、オーデリックの以下のような照明です(OL112575N)。めっちゃ和風ですけどね・・・。

 

色評価用の蛍光灯は、10形か20形か40形ぐらいしかありません。6畳の部屋に10形や20形をつけても明るさが足りないので、40形の蛍光灯を選ぶことになります。40形というのは定格電力が40W相当であるという意味です。

さらに、色評価用蛍光灯の多くは、FL(グロースタータ式)やFLR(ラピッドスタータ式)であるため、FLタイプもしくはFLRに対応している蛍光灯器具を選ばなければいけません。

例えば、上写真のオーデリックの直管蛍光灯は、標準ではFHF(hf式=インバータ)の蛍光灯がついてきますが、「FL40SS使用可能」とも書かれているので、FL40SSの色評価用蛍光灯に付け替えることができます。SSというのは管径が25.5mm か28mm であることを意味しています。

このようにして、FL40の蛍光灯に付け替えられる蛍光灯器具を探していくと、それほど選択肢が多くはないということに気づいてくるのです・・・。

そして、この他にもさらなる問題が発覚したことによって色評価用蛍光灯の採用を諦めることになりました。

その問題とは、

 
色評価用蛍光灯は3波長形蛍光灯に比べて、明るさが暗いということです。

 

色評価用蛍光灯は通常の3波長形蛍光灯(FHF32W-EX)の2分の1以下の明るさしかありません。

オーデリックのショールームに行ったときに、営業さんをつかまえて「6畳部屋で色評価用蛍光灯は何本必要になりますか?」と単刀直入に尋ねたところ、「5~6本は必要になります」と言われてしまいました。

 
え?6畳の狭い部屋に蛍光灯6本?

 

インテリア性なんてあったもんじゃないなと思いました。

北洋交易のインテリアコーディネーターさんも巻き込んで、色評価用蛍光灯に関して随分と打ち合わせを繰り返しましたが、ICさんにも、オーデリックの営業さんにも、色評価用蛍光灯を使うなら最低でも5~6本はないと暗くなると言われてしまい、それで僕はようやく諦める決心がつきました(笑)。

この時から、僕の書斎部屋の方向性はガラっと方向転換し、インテリア性重視の照明を探すようになりました。

 
今回の色評価用蛍光灯の1件ををきっかけに、僕はますます「照明」に興味を持っていくようになったのです。

 

次回は、スポンジワイプを紹介します。

 

色評価用蛍光灯はインテリア性を度外視するか、よほど広い家でなければオススメできません。中途半端な趣味で導入するのは厳しいかも・・・。
 
 
 

総計 総計
昨日 昨日
今日 今日