電線の引き上げ、NTTとの対決/建築日記65日目
スウェーデンハウス工事65日目。
前回は、雪化粧されたマイホームを紹介しました。
今日は僕にとって、NTTとのちょっとした対決の日でした。それは、
ということをお願いしに行く日だったのです。まずは、以下の写真をみてください。
家の外観を見てなにか気になるところがありませんか?
そう、空に落書きをしている2本の電線です。つまり、光ファイバー用の光ケーブルとアナログ回線用のメタルケーブルです。
話は遡りますが、設計段階では以下のパース図の角度から眺めたときに、ベストショットとなるように我が家を設計してもらいました。
ところが、2階西側にある書斎部屋の窓から外を眺めると、ちょうどこの2本の電線が真正面に見えるのです。むむぅ、なんとも許しがたいことでしょう・・・。これでは景観もくそもあったものではありません。
以下写真は、書斎部屋の窓から見える電線です。
購入した土地に電線が通っているのは最初からわかっていたことです。わかってはいましたが、いざ自分の家が立体的になって窓から外の景色を見てみると、電線は思っていた以上にうっとおしい存在だと思うようになりました。
電線が邪魔なのは、窓から覗いた時だけではありません。上図のベストショットの角度から見た時にも、2本の電線が見事に家に被るのです。
NTTの電線は、住宅街では高さが低すぎるのです!
さらにいうなれば、6日前の時点で電線の線が2本から3本へ、1本増えたのを写真で確認しました。なぜなのかをNTTの担当者に聞いてみると、近所の家が光ファイバーを始めたからだそうです。
つまり、住宅が増えていくにつれて僕らの家の前には電線が1本づつ増えていくというわけです。いまはまだ住戸が少ないからケーブルが少なくて済んでいるのかもしれません。電線が特に気になり始めたのはちょうど1週間ほど前から。
このままでは家を見に行くたびにストレスが溜まってしまう。なんとかして電線を移動させる方法はないか、インターネットで調べ始めました。
その結果としてわかったことは、
ということでした。
うちの場合、電線は自分の土地の敷地内にあります。なので、普通に考えれば電線を無料で移動してくれるはずです。
しかし、実例があるかどうかをインターネットで探してみたところ、電線だけを自分の土地の敷地外に押し出す「張り出し」をしてもらった例はよく見かけますが、電線を垂直線上に移動してくれたという事例は見つけられませんでした。
張り出しでは我が家の場合は意味がありません。もし電線を奥に張り出したとしても水平に平行移動するだけなので、見える景色はまったく変わらないからです。景観上の理由で電線が邪魔なわけですから、
僕は現場へ何度も足を運び、近所に迷惑がかからない方法で電線を上に移動させることができないものか、素人なりにいろいろと考えてみました。
すると、あることに気づきました。NTTのものと思しき電線は、電柱のそばにある黒いボックス(これをクロージャという)を起点としてT字路のように分岐しているのです。
もしかすると、このクロージャを起点として、垂直方向に移動させた上で分岐させることができるんじゃないだろうか?
僕たちの隣の敷地はブルーベリー畑になっているので、近隣の住宅に迷惑をかけずに、僕たちの土地と隣の土地の間の電線だけを上にあげることができやしないだろうか、そんな風に思い始めてきました。
希望が見えてきたので、その翌日、僕はNTTと東京電力に電話して、電線を移動して欲しい旨を伝え、現地で立ち会いをしてもらうように依頼しました。
なぜ、NTTと東電の両方に依頼したのかというと、その当時は、電柱は東京電力の所有物だと思っていたし、電線はNTTの所有物だと思っていたからです。もし東電の電柱ならば、東電はNTTに対して電線を移動させる権利をもっているだろうし、電線の高さ制限などもすぐにわかるだろうと思ったからです。
とりあえず、言わずに後悔するよりも、言ってダメだといわれたほうがよっぽど諦めがつきます。いちるの望みをかけて、僕はNTTと東電に、ちょっとした対決気分で今日を迎えたのでした。
13時。予定の時刻より30分早めに現地に到着。
ちょうど、NTTの設計担当の方も同じ時刻にやってきました。担当は、人のよさそうなおじいちゃんでした。
僕はそんな予感がしました。
NTTの担当さんがいうには、2本の電線はふたつともNTTのもので、1本は光ファイバー用の光ケーブル、もう1本はアナログ回線のメタルケーブル。そして、電信柱もNTT柱であることを知らされました。
とりあえず、どのように電線が邪魔なのかを具体的に説明したところ、どうやら垂直に上にあげることは可能らしい。
ただし、やはり高さの制限はあるので、あげたとしても60cmが限界とのこと。具体的には、以下写真の赤ラインのようになるらしい。
少しでも上にあがってくれるのは嬉しいのですが、これではまだ足りません・・・。なぜなら、2階の窓から見たとき、電線の線がまだ真正面に見えているからです。NTTの担当さんは、きっとまだ裏の手を隠しているに違いない。
会話の中からそんな風に感じ取った僕は、実際に建築現場の2階にあがってもらって、彼自身の目で直接、見てもらうことにしました。
すると、NTTの担当さんは、
と反応。しばし考えた後、
どういう方法とかというと、光ケーブルとメタルケーブルを1束にまとめた上で、光ケーブルの位置から垂直線上に60cm上にあげるという案でした。
その案でどこまで電線をあげることができるかというと、以下の写真の赤ラインを見てください。下の黒い電線2本がなくなり、赤ラインで描いた1束にまとまりました。
これなら電線のうっとおしさがかなり軽減されますっ!!
ぼくはふたつ返事で、「それでお願いしますっ!」と。
絶対に無理だろうなぁと思っていたので、あげてくれるとわかったときはすごく嬉しかったです。しかも、きちんと予備線を張ったうえで、回線が切れないようにうまく工事をしてくれるそうです。これで近所にも迷惑をかけずにすみます。
そして、NTTとの話し合いが終わったころに、ノコノコと東電がやってきました・・・。
いや、ノコノコというのは失礼ですね。僕が現場に呼んだわけですから(笑)。とりあえず、わざわざきていただいたことに感謝の意を示し、もう電線の件は解決しましたということで帰っていただきました。
NTTのおじいちゃん担当さんは最後にこういい残していきました。
じ~~ん。なんて優しいおじいちゃんなんだ。
実のところをいえば、電線を移動してもらえる確率はかなり低いだろうと思っていました。
というのは景観が悪いからといって電線を移動させるなんて、自己満足以外のなにものでもないからです・・・。それに、その電線で景観が悪くなっているのはうちだけではない。延長上にある近所のお宅もウチとおかれている状況は同じなのです。
でも、自分を納得させるためにもひきさがるわけにはいきませんでした。ヨーロッパでは電線地下埋めで、街中で電柱を見つけることすら少ないのに、
写真が趣味なので、余計にそう感じるのかもしれません。
なにはともあれ、電線はあげてもらえることになったし、無理だと思うことでもやってみる価値があるものですね。 1週間、電線のことでずっと頭がいっぱいでしたが、これでようやくぐっすりと眠れそうです。
ありがとう、おじいちゃん!
工事よろしくお願いしま~す。工事は、家の竣工までには間に合わせるように手配してくれるとのことでした。
次回は、破風・軒天井・鼻隠し・板金の取り付け工事について説明していきます。