布基礎の構造を理解しよう/布基礎とは

布基礎の構造について

 

前回は、鉄筋と電線防護管が現場に搬入されました。

今回は家の基本である「基礎」の中でも、「布基礎」について詳しく説明していきます。

 

まず、建築用語でいう「基礎」の役割としては、

 
建物の荷重を地盤に伝えること、建物を安全に支える機能を有することです。建物本体を上部構造と呼ぶのに対し、「基礎」は下部構造と呼びます。

 

基礎には、一般的に3つの種類があります。

 
「布基礎」、「ベタ基礎」、「独立基礎」の3種類です。

 

これら3つの中で、一般の戸建て住宅に用いられるのは、「布基礎」か「ベタ基礎」のどちらかで、近年では圧倒的にベタ基礎が主流となっています。

「布基礎」は線で支えますが、「ベタ基礎」は面で支えるので「ベタ基礎のほうが強固だ」という論議をよく見かけますが、結局のところはケースバイケース、どちらが強くてどちらが弱いということはないのだそうです。

ただ、実際にベタ基礎で建てられている家からすれば、布基礎の家に対して優越感を感じていることは間違いないと思います。なぜなら、ベタ基礎の方が鉄筋と生コンクリートの量が多い関係で、コスト高になるからです。

 

ここではスウェーデンハウスが採用している基礎でもある「布基礎」について説明していきます。

 
布基礎とは、外周に沿って長く連続したコンクリートの基礎のことで、木造住宅で多く用いられている基礎のことです。

 

といわれても、なんのことだかよくわからないと思うので、図解で詳しく説明していきます。

まずは、以下写真の配筋時の写真(左)とコンクリート打設時(右)の赤枠で囲ったところを見てください。順序としては、鉄筋を組んだ後にコンクリートを打設します。

 

赤枠で囲った付近を拡大した断面図は以下図のようになっています。

 

順序としては、砕石工事を行って地盤を締め固め、その後で基礎の底面を平らにするために捨てコンクリートを打設します。

その後で、鉄筋を組む配筋工事が行われます。

鉄筋にはいくつかの名称があり、

 

布基礎の場合は、「主筋」、「あばら筋」、「腹筋」、「ベース筋」が使われています。

「主筋」は一般的に径が13mm のD13(φ13)を使い、「あばら筋」、「腹筋」、「ベース筋」はD10(φ10)を使います。

 

スウェーデンハウスの場合は、主筋に一般よりも太いD16を使っていますが、他のハウスメーカーでもD16を使うメーカーが増えてきているようです。

配筋工事を終えた後は、型枠工事を行い、アンカーボルトを設置した後、型枠の中にコンクリートを打設します。

 

基礎の底面は、「フーチング」と呼ばれ、設計GL(グランドライン)から基礎の最上端までの距離を「立ち上がり」と呼びます。

重要なのは、立ち上がり根入れ深さの長さです。

 
根入れ深さとは、基礎を土へ埋め込む深さのことです。正確には地盤面の高さ(設計GL)から、基礎(フーチング)の底面までの距離のことをいい、240mm以上でなければいけません。

根入れ深さは、深ければ深いほど頑丈な基礎になります。根入れ深さが浅すぎる場合は、地震や台風などの急激な力によって建物が倒壊する恐れがあります。

植物が深く根をおろせば倒れにくくなるのと同じ原理です。

また、

 
設計GLより立ち上がりの最上端までの長さが400mm以上、立ち上がりの厚さは120mm以上でなければいけません。

 

以上、布基礎の構造について簡単に説明しました。

上記で説明したことは、建築基準法で定められた「最低これだけはしておかないといけないよ」という基準になるものです。

次回、「スウェーデンハウスの布基礎」では、建築基準法の布基礎とスウェーデンハウスの布基礎とを比較していきます。

 

住宅の基礎は施工主の数だけさまざまな作り方がありますが、ベースとなっているのは布基礎かベタ基礎のどちらかです。構造をしっかり理解しておこう!
 
 
 

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