24時間換気システムの概要
前回は、スイッチ・コンセント工事について説明しました。
今回は、24時間換気システムの概要について説明していきます。ご存知の方も多いと思いますが、
高気密・高断熱の機能性の高い住宅が増えるにつれて、家の密閉性は高まり、夏は涼しく冬は暖かいメリットが得られる反面、しっかりとした十分な換気がなされなければ、シックハウス症候群にかかってしまう恐れがあるからです。
シックハウス症候群は、家具や建具などを作る際に使用する接着剤や塗料に含まれるホルムアルデヒドが主な原因です。その他にも、タバコ、カビを吸うことで体調不良に陥ることもあります。
家が換気されなければ病気になるのは人間だけではありません。
室内に湿気がこもると、ダニやカビが増殖したり、窓の結露やカビの発生による構造躯体の腐朽、見えない基礎部分でのシロアリの発生など、諸々の原因によって家が傷んでいってしまいます。
家を資産価値として考える傾向が強まる中、家を長寿命化させるためにも家の換気はとても大切なことです。いくら構造躯体が100年住宅、200年住宅といわれるほどの耐久性のある家を作ったとしても、内部から湿気でやられてしまっては、元も子もないのです。
ひと口に換気システムといっても、その種類は3つあります。
一般住宅に多いのは、第1種換気と第3種換気で、スウェーデンハウスが採用しているのは、第1種換気です。
なにが異なるのかというと、
ということです。
確実に安定して換気ができるのは、給気も排気も機械換気の第1種換気方式で、パナソニックが推奨している換気方式でもあります。
ただし、第3種換気に比べると、
第3種換気の場合は、給気は自然に行うため、その分のランニングコストは安くなりますが、その反面、給気と排気の位置を適切に行わなければ、風向き次第では、給気の機能が低下する恐れがありますし、その給気口から冬は寒い空気、夏は暑い空気を取り込んでしまうこともありえます。
どの換気方式を採用するかは、一概に施主が決められるものでもありません。ハウスメーカーや工務店の方針もありますので、第1種換気にしたくてもできなかったり、その逆もまたしかりです。
気になる方は担当の営業さんに聞いてみましょう!
さて、次に説明するのは24時間換気システムの仕組みについてです。
ここでは、我が家でも使っているパナソニックの24時間換気システムを前提に話を進めます。我が家は、パナソニックの「FY-75VB5A」という熱交換気ユニットを使用しています。
上の写真が熱交換気ユニットといわれるもので、24時間換気システムの本体です。この本体が、スウェーデンハウスの場合は、1階と2階の天井裏に各1台づつ取り付けられます。上下階で別々に換気を行うというわけです。
そして、以下図が我が家の1階の24時間換気システムの配管図となっています。玄関近くの天井裏に本体が内蔵されており、その本体から配管を伝って各居室の給気口グリルから新鮮な空気が供給されます。
給気グリルは以下図のように、2方向から空気を供給できるようになっているので、取りつける向きが重要になってきます。
パナソニックの熱交換気ユニットは、トイレ排気のための局所排気機能がついているので、トイレや廊下の奥、クローゼットなど、空気のよどみが気になる場所を常時換気として使用することができます。
なので、例えニオイのきつい排便をしたとしても、使う側は換気扇を意識することなく、トイレの匂いを機械排気することができます。なぜ意識しないのか、それは換気扇のON-OFFスイッチそのものが付かないからです。
我が家は上下階のトイレとも、換気扇のスイッチはついていません。ただし、お風呂の換気扇はユニットバス本体に別でついてくるので、こちらはON-OFFのスイッチが付きます。
湿度センサー付き換気扇や温度センサー付き換気扇などのセンサーのついた換気扇は、熱交換気ユニットを通ることなく、独立した配管で屋外に排気されます。
最後に、我が家の工事中の24時間換気システムをお見せします。以下写真のように、1階天井裏に本体が取り付けられます。
そしてこちらが2階の熱交換気ユニットです。青い配管が24時間換気システム用、シルバーの配管が温度センサー付き換気扇の配管です。センサー付き配管は独立して排気されることがこの図でよくわかります。
2階天井裏を覗いてみると、所狭しと配管が・・・!24時間換気システムの配管は、ブルー(水色)の配管なのですぐに見分けがつきます。圧巻ですね。
そして24時間換気システムの配管をよ~く見てみると・・・なんと!ちゃんと断熱材のグラスウールまで入っています♪ う~ん、空気まで暖かそうです!
24時間換気システムの概要を知ったところで、次回は、24時間換気システムの工事について説明していきます。