枠組壁工法のくぎ打ち・釘の種類

ここでは、2X4(ツーバイフォー)の釘の打ち方や、使用する釘の種類について簡単に説明していきます。

 

スウェーデンハウスのようなツーバイフォー建築の特徴として(正確には木質パネル工法ですが)、

 
壁や床、下地材に使われる構造用合板を釘で打ち付けていきます。それも外周部100mm以下、中間部200mm以下のように、釘の間隔までが規定されています。

 

釘で打ち付けるなんてツーバイフォーでなくたって、木造軸組工法でも同じじゃないかと思う方もいると思いますが、根本的に釘の打ち込み方が異なるのです。

木造軸組の場合は、トンカチでトントントントンとひたすら釘を打ち込んでいくことが多いのに対し、ツーバイフォーの場合は、スパンスパンスパンと鉄砲でも打っているかのように釘を打ち付けていきます。

どこに打ち付けるのかというと、外壁下地・床下地・屋根下地などの構造用合板です。以下写真はトイレですが、四方に張られている板はすべて構造用合板です。その合板面に一定の間隔で釘が打ち付けられているのがわかると思います。

 

この釘をいちいちトンカチで叩いていたのでは日が暮れてしまいます。

そこで登場するのが、自動釘打機の高圧ロール釘打機と呼ばれるものです。

 

現場にはいろんなタイプの釘打ち機が置かれていましたが、上写真の釘打ち機は、日立製のNV65HMC(定価102,000円)という型番でした。

 

ネイルホルダーには、以下のようなコイル状の連結釘を装填します。

 

釘の頭部に50と書かれている数字にはわけがあり、釘の種類を表しています。

写真手前にある緑色の頭部に50と書かれた釘は、ツーバイフォー用の太め鉄丸くぎのことで、CN釘と呼ばれています。釘の頭部に50という数字が刻印されているので、CN50 と呼びます。

CN50釘は、長さ50.8mm、胴部径2.87mm、頭部6.76mmの釘で、厚さ9〜12mmの構造用合板に打ち付けるための釘です。

 

CN釘について詳しく説明する前に、N釘のことを説明しておいたほうが後の説明がわかりやすくなります。

 

木造軸組工法で用いられるN釘は2種類に大別されます。

1.釘の頭部に番号が振られていなければ、色分けもされてない鉄丸くぎと呼ばれるN釘

2.釘の頭部に番号が振られ、なおかつ色分けされているデジカラーN釘(デジ釘)と呼ばれるN釘

 

左がN釘、右がデジカラーN釘です。

 

この2種類のうち、鉄丸くぎ(N釘)を枠組壁工法の建築物に用いることは認められていません。鉄丸くぎ呼ばれるN釘は、N19~N190まで14種類もあり、

 
打ち込んだあとではどの釘を打ち込んだのかがわからないからです!

 

そこで登場するのがツーバイフォー用のCN釘で、径の太さによってCN50(緑)、CN65(黄)、CN75(青)、CN90(赤) と4種類あり、しっかりと色分けもされています。鉄丸くぎ(N釘)よりもやや太めなので、せん断強度にも優れています。

そして重要なことはこれからです。

 
厚さ9mm以上の構造用合板を、CN50釘を用いて、外周部100mm間隔、中間部200mm間隔で打ち付けた壁は、壁倍率3.0倍の強度をもつ耐力壁として認められるということです。

 

スウェーデンハウスは、厚さ9mm以上の構造用合板を用い、なおかつCN釘を用いて、10cm間隔で釘が打たれていることが目視で確認できました。正確に何cm間隔だったのかは測っていませんが・・・(笑)。

なので、最低でも壁倍率3.0以上の強度を持っていることがわかります。

このとき、施主が確認すべき事項として、釘の打ち込み間隔と、釘の頭部が合板面にめり込んでいないかどうかということです。

 

最後に、CN75(青)釘の写真です。ツーバイフォー用のCN釘は、このようにコイル状で販売されているのがほとんどです。

 

ツーバイフォーの大工さんは、自動釘打機を使ってスパンスパンと釘を打ち込んでいくので、とにかくスピードが速い!!構造用合板なんてあっという間に打ち付けが終わってしまいます。

僕たちの家を担当していた工務店の工事責任者(社長)さんは、「彼ら(大工さん)は、会社の中でも、1位2位を争うぐらい仕事が速いんですよ~」と言っていたのを思い出します。

いま考えると自動釘打機で家を組み立てていくツーバイフォーの大工さんにとって、作業スピードはとても重要なことだったんだなと感じさせられます。

 

木工事では構造用合板に打ち付けられた釘の間隔(ピッチ)をチェックしよう!また、釘が合板面に対してフラットに打ち込まれているかを確認しよう。
 
 

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