意外な地盤調査結果!?/ハウスメーカー選び

2011年8月6日(土) 13時~/スウェーデンハウス松戸展示場で打ち合わせ

 

今週は、2週間前に依頼していた地盤調査の結果がでるということで、スウェーデンハウスの松戸展示場へ結果報告書をとりにいきました。

 

営業さんが到着してさっそく地盤調査の結果を教えてもらうと・・・。

 
嬉しいお知らせがあります!調査の結果、「地盤改良の必要はないみたいです。とはいっても、30kN/㎡仕様基礎での支持が必要なため、30万円ほどはかかります。」

 

との嬉しい報告をいただきました。わかりやすくいえば、家の基礎幅を40センチから70センチに広げるという改良が必要になるそうです。

同時に、僕たちは「え!?どうして?」といった戸惑いを隠すことができませんでした。

というのも、1度目は積水ハウスで無料で地盤調査をやってもらっているので、今回で2度目の調査になります。

1度目の調査では、

 
6メートルの深さまで、28本の柱状改良が必要となり、地盤改良費が140万円かかるといわれていたのです。

 

140万が30万円になるのは単純に嬉しいのですが、費用を削減したおかげで家が倒壊したり、不同沈下などを起こしてしまった日には元も子もありません(建物が傾くことを不同沈下といいます)。

 
調査方法はスウェーデン式サウンディング。積水ハウスもスウェーデンハウスも同じ調査方法です。戸建住宅向けの地盤調査のほとんどがこの方法が用いられています。

 

試験手順としては、敷地の四隅にロッド(先端がスクリュー状になった鉄の棒)を差し、荷重をかけて自沈の状態を調べ、沈み込みがなく静止した場合は、ハンドルを回転貫入させて、何回転させたかを記録していくことで地盤の強さを判定します。

スウェーデン式サウンディングでは深度10mまでで終了します。

 

地盤の強さを判定する目安として、

 
換算N値(ニュートン値)が3.0以下の地盤が軟弱地盤だと判定されます。

 

換算N値3以下というのは、スウェーデン式サウンディング試験において粘性土で100kg以下の荷重で自沈することを意味しています。

通常、深度が深くなればなるほど地盤が固くなっていくので、深度に比例してN値の値も大きくなっていきます。

以前、積水ハウスに地盤調査を依頼したときは、N値が3.0を下回る箇所がところどころに見られました。以下図が、積水ハウスで調査してもらった5点の測定ポイントのうちの1点の試験結果です。

 

僕たちが購入した土地は、台地と谷地の境界にあり、県によって盛土された造成地でもあるため、改良はやむおえないのかなと半ばあきらめていたところがありました。その代わりとして、日照条件や駅までのアクセス面で考えれば、県の分譲物件を買うよりもはるかにお得で好立地な土地を得ることができました。

積水ハウスが自社で地盤調査を行なっているのに対し、スウェーデンハウスでは外注に出しています。

 
自社での調査だと、意図的な判断が入る可能性を排除することがひとつの目的だそうです。

 

また、第三者機関の専門業者に調査、判定を仰ぐことにより、より客観的、且つ専門的な判断が可能になると考えているからだそうです。スウェーデンハウスでは、その第三者機関としてジオテック社に委託して調査をしてもらっています。

ジオテック社は、地盤調査会社としては有名な企業で、スウェーデンハウス以外にも、住友林業、三井ホーム、トヨタホームなどの大手のハウスメーカーも同様にジオテック社による地盤調査を行っています。

 

メーカーによって地盤改良費が大きく異なるとはきいていたものの、まさかこれほどまで値段が違ってくるとは思ってもいませんでした。110万円もの開きがあったら、好きな家具が買えてしまいます・・・。

 

営業担当さんに、ジオテック社の調査結果報告を実際にみせてもらいました。すると、積水ハウスの調査結果とは異なり、目安となる換算N値が3.0を下回る箇所がひとつも見当たりませんでした。

どういうことでしょう、積水ハウスの調査では3.0以下の箇所がいくつもあったし、地盤が弱いところではN値1.5 という箇所もありました。どうして同じ調査方法なのに、ここまで差がでてしまうのでしょうか。

 

スウェーデン式サウンディングは、基本的に4箇所以上(通常5箇所)の地点にロッドを貫入させて調査を行います。ロッドを挿す位置によって多少の値変化があるにしても、地盤調査をする会社によってこうも変わってしまうものでしょうか。

 

まず、ジオテック社が調査した以下図の地盤調査報告書を見てください。

深度ごとのN値の値をみても3.0をきるところがなく、GL-2.0m(グラウンドライン)を過ぎたあたりから徐々にN値の数値が大きくなり、深度4mを超えるとN値は4.0以上に安定していきます。これは、5箇所の測定ポイントすべてで同じ傾向が見られました。

確かに、深度0m~-2.0m 以内の範囲では、荷重の重さだけでロッドが自沈していく箇所もありましたが、その自沈の判定基準としては「ユックリ」という判定。これが「スルスル」という状態になるとまずいらしい。

そして、ロッドの沈み込みがなくなったところでハンドルを回転させてさらに深くまで貫入させていくと、「シャリシャリ」と記載されている部分があります。これは土質のことで、粘性土から礫質土に変化したことを示しています。

このデータによると、深度-2.0m までは自沈する箇所もあるけれど、全体としてみれば安定している、と判断することができます。

 

ジオテック社の報告書の「所見と判断の根拠」という項目を読んでみると、

 

「測定データからは、地表面~GL-2.00m付近までは自沈層(おもりの重さだけで沈んでしまう層)がところどころにみられますが、いずれの測点にも軟弱性の高い0.75kN以下の数値は含まれておらず、また測点間で数値を比較しても大きなばらつきは見られませんでした。

したがって、それらの数値傾向から調査地の地盤は比較的安定した状態にあると判断されます」

 

と、書かれていました。

いやっほぉぉぉぉい!!

でも、安心はできません。スウェーデン式サウンディングの調査方法は、素人でもできてしまうため、調査員の経験がものをいいます。調査書の「調査担当者」の項目をみてみると、単に「技士」のところにだけチェックが入っていました。

「考察者資格」のところには「主任技士」とチェックされていたので、データをもとにして報告書を作ったのは主任技士かもしれないけど、調査をしたのは単なる「技士」かもしれない。2人以上で作業を行ったのだろうかという不安が頭をよぎります。

考えても答えがでてこないので、スウェーデンハウスの営業担当N氏に以下の4点をメールで質問して、後日、その回答をジオテック社から直々にいただきました。

 

 
Q1.本当に地盤改良を行わないという判断で良いのか?
 

A1.

データが示すように、ここのデータに軟弱な数値がなく、またそれぞれのデータを比較してもバランスが悪くないため、地盤補強は不要と判断しました。

お施主様の地盤には地盤保険が付いており、ジオテックの判断だけではなく、保険会社が認めた地盤技術者の審査も受けております。

 

 
Q2.僕たちの土地の地盤は換算N値から判断して、軟弱な部類に属するのか?それとも普通なのか?強い部類なのか?
 

A2.

地盤の強さは正確には換算N値ではなく、調査表のWsw(おもりの重さ)Nsw(ハンドルを回した回数)で評価します。

保険会社が推奨している式は「qa=30Wsw+0.6Nsw」(qaは地盤の強さ、WswとNswは基礎底面下方2mの平均値)で、今回はいずれの測点も30kN/㎡を上回っています

戸建住宅では一般的には50kN/㎡以上が強固な地盤、30kN/㎡より小さいものが軟弱な地盤といわれていますので、普通の部類に入ると思います。

 

 
Q3.地盤改良する必要がないと判断されても、改良を依頼すれば地盤改良をしてもらえるのか?
 

A1.

より安全側となるため、地盤改良することは可能で、以前にそういった例もあります。

 

 
Q4.ジオテック社が調査した技士の経験値はどの程度のもので、何人で作業を行ったのか?
 

A1.

調査員は2人で調査に行っております。調査員は「住宅地盤品質協会」の資格試験を受けて合格し資格も持っております。

地盤の所見担当している私も資格を持っております。経験は8年、関東エリアで年間1500~2000件地盤の所見を出しております。

 

地盤調査を専門に扱っている会社から、これだけはっきりとした回答をいただけたので、なんだかすごく安心しました。

 

営業担当さんは、僕たちを安心させようと以下のようなことも言っていました。

スウェーデンハウスでは、㈱住品協保証事業に加盟している業者しか使っていないため、㈱住品協保証事業へ加盟している業者が行った調査結果については、㈱住品協保証事業が判定結果の確認を行い、その内容に関して10年間の保証を受けることが出来るのだそうです。

ですから、万が一のことがあったとしても、

 
地盤に関してはスウェーデンハウスの長期保証対象部位に当てはまるので10年間の保証がつき、さらに住品協の保証もつくのでダブルで安心なのです。

 

なにはともあれ納得のいく回答がもらえたし、地盤改良を行う必要もなくなったため、余計な追加費用もかからずに済んで良かったです。

 

地盤改良にかかる費用はメーカーごとにまちまち。疑り深い方、心配性な方は、第三者調査機関にに判定・評価を委ねることをオススメします。
 
 
 

総計 総計
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