本気でおうちプリントをしようと思った理由/おうちプリントのススメ編

2014年9月6日|おうちプリントにハマったきっかけ

 

オーナーズブログ「おうちプリントのススメ編」について説明していきます。このコーナーは写真を撮ることが好きで、パソコンでRAW現像まではするけれどプリントはあまりしたことがないという方を対象にかいています。

 

おうちプリントのススメ編、第1回目。

まずは簡単に僕の写真歴の経緯から説明すると僕が写真を始めたのは29歳の頃。

それは1台のコンパクトデジカメから始まりました。しかしすぐに画質に満足できずにデジタル一眼レフに移行、その数カ月後にはデジタル全盛の時代にありながらフィルムカメラに移行し、4~5年間フィルムカメラを楽しんだ後、またデジタルカメラに戻ってきて今はNikon のデジタル一眼レフカメラ(D800D700)に落ち着いています。

 

実に8年ぐらいは写真を撮ってきたことになります。

 
その間、写真は数えきれないぐらい撮りましたがお店プリントも含め、自宅でプリントした枚数はそれほど多くありません。

 

そこにはいくつかの個人的な理由があり、例えばラボではないお店(量販店)でプリントしてもらう場合、

 

1. 一度で満足のいく露出や色合いで仕上がってきたことがない

2. ラスタープリント(マット調)は外注扱い、仕上がりに最低5日は要する

3. フチあり印刷は自由度が効かない

 

などなど、自分の思い通りのプリントで仕上げるには労力と時間とコストを惜しんではいけない現状がありました。

特に、リバーサルフィルムをお店でプリントしてもらう場合は、原版の通りにプリントするだけなのにこれがなかなか満足のいく露出や色合いで仕上がってこない。多くの場合は、露出が暗すぎたり、彩度が低すぎたり、マゼンタかぶりしていたり・・・。

ライトボックスで鑑賞したリバーサル原版は「美しい」のに、そのイメージのとおりにプリントしてもらおうとすると思い通りの仕上がりにならず、実に平凡な1枚に仕上がってきます。解像度が低く、非常に残念に思うこともありました。

 

これがデジタルカメラで撮った写真ならば、鑑賞するモニターごとに色合いが異なるのでパソコンで見た色合いとお店で出力してもらうプリントの色合いが多少なりとも異なるのは理解ができるのですが、リバーサルフィルムは原版という色見本があるにも関わらず、その原版に近似してプリントしてもらうというのは非常に手間のかかる作業なのです。

以下のワイド4つのプリントも最低でも2回は再プリントしてもらっています。

 

プリントに満足がいかなければ通常は何度でも再プリントしてくれますが、それも基本的には外注処理なので数日間待たされます。出来上がったらまた取りに行って、満足いかなければまた再プリントを依頼する。

 
この手間自体がそもそも時間の無駄だと思いませんか?

 

そう感じてしまったときから僕はお店プリントから次第に遠ざかって行きました。プリントすることを完全にやめてしまったわけではありません。

 
いま流行りのフォトブックに切り替えたのです。

 

主に利用しているのは、フォトブック制作会社の中でも最大手のアスカネットの「Mybook」。ネットから注文できてお手軽だし、専用ソフトで自由にレイアウトできるし、色合いもそこそこ満足できる(ただしモニターに依存)、もうプリントはフォトブックで十分じゃん!

 

そう思った時期が何年か続きました。実際に今でも「Mybook」を利用しています。しかし、そこには「妥協」みたいなものが常に頭の中にあって、画質に満足しているわけではないけれど、ブック形式で見やすいからという理由でフォトブックを作っています。

ところが、

 
自分に子供が生まれ、それを契機に Nikon D800 を購入したときからフォトブックのクオリティにより満足がいかなくなってきたのです。

 

フォトブックでは、Nikon D800 の持ち味である3600万の高画素ナノクリスタルレンズのクリアで抜けの良い描写が活かしきれないと思ったからです。パソコンで見ると綺麗なのにプリントしたものはさほど綺麗ではない。パラパラと流して閲覧する分にはまったく問題がないけど、じっくりと鑑賞する向きではない。

特に、写真仕上げ(銀塩)ではない印刷仕上げのフォトブックの場合、お店プリント(銀塩)や自宅プリント(インクジェット)とは異なり、網点印刷されているため、夜に鑑賞する場合はその網点はさほど気になりませんが、明るい昼間に鑑賞する場合はその網点がやけに気になります(もちろん、その感じ方には個人差が大きい)。

また、フォトブック内で大きなサイズでプリントする分には問題ありませんが、写真のサイズを小さくして印刷すると、その網点印刷の解像度の低さが顕著に現れます。

かといって、写真仕上げのフォトブック選ぶと、値段が一気に高くなったり、フォトブック自体のサイズが縦長サイズや真四角サイズしか選べなかったりと、3:2のアスペクト比を基本とするデジタル一眼レフにとっては写真をレイアウトしずらいという厳しい現状が待ち受けているのです。

 
せっかく良いカメラを持っているのに、それを手軽にプリントに活かす術がないのでは意味がないではないか!

 

となれば、プリントをする作業そのものに興味がなくなってしまってもまったく不思議ではありません。僕が写真をやっていながら、長らくの間、プリントにはまらなかったのはこういった理由があったからかもしれません。

 

しかし、その解決方法を僕は見つけてしまいました。単純なことです。ほんとはそれを随分前からわかっていましたが、初期コストの関係でわからないフリをしていたような気がします。

それは言う前でもなく、

 
インクジェットプリンターでおうちプリントをすることです!

 

「おうちプリント」というとなんだかかわいらしい言い方ですが、要は「自宅プリント」のことです。しかも、本気の自宅プリント。自宅プリントは万人に勧められる方法ではありません。なぜならお金がかかるから、そして手間がかかるから。

今後、回を追って詳しく述べていきますが、自宅プリントを楽しむにあたって必要となる機材は、A3ノビ対応プリンター、カラーマネジメント対応モニター、環境光の整備、現像ソフト、キャリブレーションツールなどなど。これらを新品で揃えるだけでも軽く20万を超えるでしょう。

それに加えて消耗品としてインク代や用紙代がつきまといます。しかし、それらを最初の段階で揃え、現像からプリントまでの一連の作業をノウハウとして蓄積していけば、

 
自宅プリントほど楽しいものはありません!

 

なぜなら、

 
お店プリントで不満に感じる点がすべて解消されるし、さらには用紙を選んだり、額に入れて飾る楽しみまで増えるからです!

 

そもそも考えてもみてください。

撮影時にホワイトバランスをいじり、ピクチャースタイル(Canon)やピクチャーコントロール(Nikon)で好みの設定を選び、現場で可能な限り自分の好みの雰囲気で撮影し、そのデータをもとにパソコン上でRAW現像して色を追い込んだにも関わらず、

 
なぜ最終出力段階であるプリントの作業を他人(お店プリント)に任せてしまうのだろうか?

 

それでは結局、最終的な仕上がりを決めているのは自分ではなく他人でしかないです。

撮影からRAW現像まで一貫してひとりで行ってきているのだから、どうせなら最後のプリントの作業までを自分で行ったほうが絶対に楽しいと思います。

その楽しさに気付き始めてしまったから、もっと多くの方に自宅プリントを楽しんで欲しいとの思いから僕はこのようなコーナーを立ち上げることにしました。

次回からは、自宅プリントをするにあたって必要となる機材の紹介をしていきます。あくまでも僕が揃えていった順に時系列で説明していくので読みにくいところもあるかもしれませんが、お付き合いください。

次回は、A3ノビ対応プリンター「Canon PRO-10の購入」について説明していきます。

 

 
 
 

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